📖 経理の解説
請求書を分ければ源泉徴収は安くなる? 100万円の合算ルールを解説
結論: まとめて1回で支払うなら、合算して100万円判定するのが実務上の一般的な考え方です
個人への原稿料・デザイン料・講演料などの報酬・料金は、支払う金額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%という2段階の税率になります。この「100万円」の判定は、請求書が何枚に分かれていても、実際に1回でまとめて支払う金額で判定してよい、というのが実務での一般的な扱いです。
根拠: 国税庁の基本通達
この考え方は、国税庁の法令解釈通達(所得税基本通達205-1)にある次の一文がもとになっています。
「同一人に対し1回に支払われる金額」とは、同一人に対し1回に支払われるべき金額をいう。ただし、税率を乗ずべき金額の判定に当たっては、現実に1回に支払われる金額によって差し支えない。
本来は契約ごとに判定するのが原則ですが、実際にまとめて1回で支払う金額をもとに判定してよい、と明記されています。くわしくは国税庁の法第205条《徴収税額》関係の通達で確認できます。
「分ければ安くなる」わけではない、というのがポイント
同じ取引先への支払いが月に何回かに分かれていると、「請求書ごとに計算した方が、それぞれ100万円以下におさまって税率が低くなるのでは」と考えてしまうことがあります。でも、実際にその請求書たちをまとめて1回の支払いにするなら、合算した金額で100万円判定をするのが一般的な扱いです。
【請求する人へ】フリーランス目線のポイント
🖊 同じ取引先への請求がまとまる月は要注意
同じ会社から複数の現場・案件を任されていて、月内の請求額の合計が100万円に近づいたりそれを超えたりする場合、まとめ払いだと源泉徴収額が思ったより多くなることがあります。「手取りでこれだけ欲しい」という金額から逆算するときは、この合算の可能性も考えておくと安心です。
源泉徴収の逆算ツールを使う(別タブ) →【支払う人へ】会社の経理目線のポイント
🧾 「複数請求書の合算」判定は忘れがち
同じ人から複数の請求書が届いたとき、1枚ずつ処理していると、合算すれば100万円を超えるケースを見落とすことがあります。特に、現場や案件ごとに請求書が分かれて届く取引先がいる場合は、月の締めのタイミングでまとめて確認する習慣が安心です。
複数請求書の合算モードを使う(別タブ) →具体例で計算してみましょう
同じ人から届いた請求書4枚(各300,000円、合計1,200,000円)を、月末にまとめて1回で支払う場合の計算例です(消費税は考えないものとします)。
| 請求書4枚の合計額 | 1,200,000 円 |
| 100万円までの部分(10.21%) | 102,100 円 |
| 100万円を超える部分(20万円 × 20.42%) | 40,840 円 |
| 源泉徴収税額(合算判定) | 142,940 円 |
もし4枚をそれぞれ別々に10.21%で計算してしまうと、300,000円 × 10.21% × 4枚 = 122,520円。合算判定との差は20,420円です。「分ければ安くなる」と思い込んだままだと、この分だけ源泉徴収が不足してしまいます。下の計算ツールの「複数請求書の合算」モードでは、この比較を自動で計算できます。
まとめ
- 同じ人への請求書は、まとめて1回で支払うなら合算して100万円判定するのが実務上の一般的な扱いです。
- 「請求書を分ければ税率が下がる」わけではありません。分けていても、まとめ払いなら合算されます。
- 源泉徴収が不足すると支払う側にペナルティが生じるため、判定に迷ったら合算して保守的に計算するのが安心です。
関連ツール
トップ ・ 運営者情報 ・ プライバシーポリシー ・ 免責事項
🍋 ここにしかないオリジナルツール — Created by Cytron Journey