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「手取りでいくら欲しい」から、請求書に書く報酬額を逆算します(10.21%・100万円超の20.42%対応)
🍋 インボイス(適格請求書)を発行して消費税も請求するなら「税込みで計算」、免税事業者で消費税を請求しないなら「税抜きのまま」を選んでね。迷ったら「税抜き」でOK。
このツールには、3つのモードがあります。画面上のボタンと同じ名前で呼びます。
インストールは不要です。ブラウザで開いてそのまま使えます。入力した数字はどこにも送られません。
フリーランスの方が使うモードです。上のボタンで 「手取りから逆算」 が選ばれていることを確認してください(最初に開いたときは、このモードになっています)。
出てくるのは 「請求書に書く報酬額」 です。その下に源泉徴収税額と、「検算: 手取り額」 が並びます。検算の行が、最初に入れた金額とぴったり同じになっていることを確かめてください。手取りから逆算した金額が正しいかどうかを、この行だけで確認できます。
支払う側の検算に使うモードです。「報酬額から計算」 を押すと、金額欄が 「報酬額(請求書に書く税抜金額)」 に変わります。
消費税額を入れた場合は 「振込額(消費税込み)」 が、入れなかった場合は 「手取り額(振込額)」 がいちばん上に出ます。
消費税額の欄を自動計算にしていないのには理由があります。 請求書によって消費税の端数の丸め方が違うことがあるためです。ここは計算させずに、手元の請求書に書かれている金額をそのまま入れてください。
このモードと同じことができるツールは、私が調べた範囲では見つかりませんでした。
同じ人から請求書が何枚か届いていて、それをまとめて1回で支払うとき。1枚ずつ見ていると100万円以下でも、合計すると100万円を超えることがあります。源泉徴収の税率は、100万円を超える部分だけ20.42%に上がるので、この見落としがそのまま源泉徴収の不足になります。
このモードは、「まとめて1回で払った場合」と「支払回を分けた場合」を並べて計算して、差額を出します。
結果は3段になっています。
いちばん下の帯に、🅰と🅱でいくら違うかが出ます。同じ金額になる場合は「どちらの支払い方でも源泉徴収税額は同じです」と表示されます。
なお、「まとめて1回で払うなら合算して判定する」というのが実務での一般的な考え方です。くわしくは 請求書を分ければ源泉徴収は安くなる? 100万円の合算ルールを解説 にまとめています。
実際に「いくら入れて、いくら出るか」を4つ並べます。すべてこのツールで計算した数字です。
原稿料の仕事を受けるにあたって、手取りで300,000円にしたい、というケースです。消費税は請求しない(免税事業者)とします。
入れるもの:「手取りから逆算」→「🧾 税抜き」→ 手取り額に 300000
出てくるもの
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 請求書に書く報酬額 | 334,112 円 |
| 源泉徴収税額(10.21%・1円未満切り捨て) | 34,112 円 |
| 検算: 手取り額 | 300,000 円 |
手で確かめると、334,112 × 10.21% = 34,112.8352円。1円未満を切り捨てて34,112円。334,112 − 34,112 = 300,000円で、ぴったり合います。
「30万円ほしいから、33万円くらい請求しておけばいいかな」と勘を頼りにすると、330,000円では手取りが296,307円にしかなりません。3,693円足りない、ということが起きます。
同じ人が適格請求書(インボイス)を発行していて、振込で330,000円受け取りたい、というケースです。
入れるもの:「手取りから逆算」→「📋 税込み」→ 振込希望額に 330000
出てくるもの
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 請求金額(税込・合計) | 363,763 円 |
| 内訳: 報酬額(税抜) | 330,694 円 |
| 内訳: 消費税額(10%) | 33,069 円 |
| 源泉徴収税額 | 33,763 円 |
| 検算: 振込額(手取り) | 330,000 円 |
ここでのポイントは、源泉徴収税額33,763円が、請求金額363,763円ではなく、報酬額330,694円にだけかかっていることです。請求書で報酬と消費税を分けて書いていれば、消費税の部分は源泉徴収の対象から外せます。だから請求金額そのものに10.21%をかけると、答えが合いません。
報酬50,000円、消費税5,000円の請求書を受け取った会社の経理担当者が、振り込む金額を確かめるケースです。
入れるもの:「報酬額から計算」→ 報酬額に 50000、消費税額に 5000
出てくるもの
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 振込額(消費税込み) | 49,895 円 |
| 報酬額(税抜) | 50,000 円 |
| 消費税額 | 5,000 円 |
| 源泉徴収税額 | 5,105 円 |
合計55,000円の請求書に対して、振り込むのは49,895円。差額の5,105円が、あとで納付する源泉徴収税額です。
なお、このツールが計算できるのは、10.21%(100万円を超える部分は20.42%)が適用される報酬・料金です。司法書士報酬のように1万円の控除がある特殊な計算には対応していません。ご自身が支払おうとしている報酬がどの扱いになるかは、国税庁の情報や税理士にご確認ください。
同じデザイナーさんから、案件ごとに請求書が3枚届きました。450,000円・380,000円・320,000円の3枚を、月末にまとめて1回で振り込みます。消費税は考えないものとします。
入れるもの:「複数請求書の合算」→ 請求書1に 450000、請求書2に 380000、請求書3に 320000(3枚目は「+ 請求書を追加」で増やします)
出てくるもの
合算報酬額(3枚)は 1,150,000円。100万円を超えました。
| 支払い方 | 源泉徴収税額 |
|---|---|
| 🅰 まとめて1回で支払う場合 | 132,730 円 |
| 🅱 支払回を分けて請求書ごとに支払う場合 | 117,415 円 |
| 差 | 15,315 円 |
🅱の内訳は、450,000円→45,945円、380,000円→38,798円、320,000円→32,672円です。1枚ずつ見るとどれも100万円以下なので、すべて10.21%で計算されます。
いっぽう🅰は、100万円までの部分が102,100円、100万円を超えた150,000円の部分が20.42%で30,630円。合わせて132,730円になります。
この差15,315円が、1枚ずつ処理していると見落とすところです。 源泉徴収義務があるのは支払う側なので、複数の請求書があるときは、支払前に合計額を確認しておくと安心です。
請求書で報酬と消費税を分けて書いている場合、源泉徴収は消費税を含まない報酬額に対して行うことが認められています。このツールも、その前提で計算しています。
立場によって、選ぶボタンが変わります。
なお「📋 税込み」で逆算するときは、消費税10%を前提に計算しています。8%が混じる請求書には向きません。
100万円までの部分が10.21%、100万円を超える部分が20.42%になります。全体が20.42%になるわけではありません。
この判定は「同一人に対し1回に支払われる金額」で行います。だから請求書が何枚に分かれていても、まとめて1回で払うなら合計額で判定することになります。ここを自動で比べられるのが「複数請求書の合算」モードです。
※複数の報酬をどのようにまとめて判定するかは、契約や支払方法などによって扱いが異なる場合があります。個別の判断が必要な場合は、税理士等にご確認ください。
まとめて1回で支払うなら、請求書を分けていても合算して判定するのが実務での一般的な扱いです。つまり「分ければ税率が下がる」わけではありません。
支払うタイミングを完全に分ける場合の扱いも含めて、請求書を分ければ源泉徴収は安くなる? 100万円の合算ルールを解説 にまとめています。
報酬と一緒に交通費・旅費を請求する場合は、原則として交通費も含めた金額が源泉徴収の対象です。請求書で「報酬」と「交通費」を行を分けて書いていても、原則は合計に対して計算します。
消費税とは扱いが違うところなので、混同しやすい部分です。会社が交通機関へ直接支払う場合など、対象に含めない扱いになるケースもあります。くわしくは 交通費に源泉徴収はかかる? フリーランスと経理、両方の目線で解説 をご覧ください。
このツールで計算するときは、交通費を含めた金額を報酬額として入れてください。
源泉徴収税額の1円未満は切り捨てです。四捨五入ではありません。
この切り捨てのせいで、逆算のときに少し不思議なことが起きます。
「エクセルで =A1*0.1021 と入れたけれど、ツールと1円ずれる」というときは、切り捨ての処理が入っているかを確認してみてください。10.21%という数字そのものについては、0.1021とは? 源泉徴収の10.21%の意味と計算方法 で解説しています。
源泉徴収された金額は、所得税の前払いにあたります。確定申告では、1年間の所得や税額とあわせて精算します。源泉徴収された金額が最終的な税額を上回っていれば、還付を受けられる場合があります。
ただし、手元に入ってくるお金が一時的に減るのは事実です。だからこそ、フリーランスの方は請求の時点で手取りから逆算しておくと、資金繰りの見通しが立てやすくなります。
このツールの結果は参考値です。金額の作り方や端数の扱いは、取引先との取り決めによって変わることがあります。実際の請求や納付の前に、国税庁の情報を確認するか、顧問税理士・所轄の税務署にご相談ください。
判断に迷ったときほど、確かめてから進めるのが結局いちばん早い道です。
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