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簿記の試験で差がつく電卓のメモリー機能 — M+・M-・MR・MC・GTの使い方

公開日: 2026年8月6日

この記事は、電卓のメモリー機能の一般的な考え方をまとめたものです。キーの名前や押したときの動きは、電卓の機種によって異なる場合があります。大切な場面で使う前に、お手元の電卓で一度お試しください。また、試験に持ち込める電卓の条件は、受験する試験の公式案内でご確認ください。

結論: 電卓には「数字の置き場所」が3つあります

電卓のメモリー機能とは、計算の途中の数字を、電卓の中に置いておくための場所のことです。

〈数字の置き場所〉

「画面」の数字は見えていますが、あとの2つは中が見えません。この記事内では、その見えない置き場所のことを「BOX」と呼びます。

〈メモリーBOXとトータルBOXの違い〉

トータルBOX へは「=」を押して出した答えの数字を足していくことしかできませんが、メモリーBOX では M+ で足して、M- で引くこともできます。

メモリー機能が使えると、紙に「750」「1,140」「2,400」…とメモしていく代わりに、BOXへ数字を入れて最後に「いくらになった?」と呼び出せば、合計が出てきます。メモを取る手が止まらない分、計算が速くなります。

シトロン坊や
じつはね、このサイトを作っている人も、簿記の勉強中にメモリー機能でつまずいたんだ。「BOXの中が見えないのが不安だった」んだって。いま何が入ってるのか分からないまま押すのが、こわかったんだね。だからこの記事は、先に同じ場所でつまずいた人からのメモだよ😊

まずは一覧で — 5つのキーの役目

メモリー機能のキーは、次の5つです。まず全体をながめてから、1つずつ見ていきましょう。

キー読み方やること
M+メモリープラスいまの数字を、メモリーBOXに足す
M-メモリーマイナスいまの数字を、メモリーBOXから引く
MRメモリーリコールメモリーBOXの中身を画面に呼び出す
MCメモリークリアメモリーBOXの中身を消す
GTグランドトータルトータルBOXにたまった総合計を出す

ポイントは、M+ / M- / MR / MC の4つはメモリーBOXを使い、GT だけはトータルBOXを使うということです。

M+ と M- — メモリーBOXに足す、メモリーBOXから引く

ここからしばらくは、メモリーBOX の話です。M+ / M- / MR / MC の4つが、このBOXを使います。

M+ は、画面に出ている数字をメモリーBOXに足します。M- は、逆に引きます。

たとえば、100 と 250 と 80 を足したいとき。

押すキーメモリーBOXの中身
100 → M++100
250 → M++100と+250
80 → M++100と+250と+80
MR(呼び出す)430

「+」と「=」でも同じ答えになりますが、メモリーBOXが便利なのは途中で別の計算をはさめるところです。M+ で足しておいた 430 は、そのあいだも消えずに残っています。

M- が活躍するのは、足したものから、あとで差し引く場面です。売上から返品を引く、といったときです。

※多くの電卓では、メモリーBOXに何か入っていると、画面のすみに小さく 「M」 と表示されます。「Mが出ている=中身が残っている」の合図です。ここを見る習慣がつくと、あとで出てくる「消し忘れ」を防げます。

【ここが核心】MR と MC のちがい

メモリーBOXで、いちばんつまずきやすいのがここです。名前が似ているので、混同しやすいんですよね。

MR は「見るだけ」。MC が「消す」。

1文字目の M はどちらも「メモリー」。ちがうのは2文字目です。

キー2文字目の意味押したあと、中身は?
MRR = Recall(呼び出す)残る
MCC = Clear(消す)空になる

MR は、メモリーBOXの中身を画面に映して見せてくれるだけです。写真を撮って見せてくれるようなもので、元の中身はそのまま残っています。だから MR は何回押しても大丈夫ですし、呼び出した数字をそのまま次の計算に使うこともできます。

いっぽう MC を押すと、メモリーBOXは空っぽになります。もう呼び出せません。

この「MRでは消えない」が腑に落ちると、メモリー機能はぐっと使いやすくなります。

シトロン坊や
つまり MR は「中を見せて」、MC は「空にして」ってこと😊 見せてもらっただけで中身がなくなったら困るもんね。だから MR は何回押してもへっちゃらだよ!
※機種によっては、MR と MC がひとつのキー(MRC)にまとまっていることがあります。その場合は「1回押すと呼び出し、続けてもう1回押すと消える」という動きになるものが多いようです。お手元の電卓がどちらのタイプか、一度確かめてみてください。この「2回目で消える」を知らないと、意図せず消してしまうことがあります。

トータルBOX は、メモリーBOX とは別の置き場所です

GT(グランドトータル)キーは「総合計」。「=」を押して出した答えが、自動的にたまっていく——その置き場所がトータルBOXです。

大事なのは、トータルBOX は、M+ で使うメモリーBOX とは別ものだということ。MC を押してもトータルBOX は消えませんし、M+ で足した数字はトータルBOX には入りません。

押すキー画面トータルBOXの中身
150 × 5 =750750
380 × 3 =1,140750 と 1,140
GT1,890合計 1,890

「掛け算した答えを、そのまま合計したい」ときは、GT のほうが押すキーが少なくて済みます。M+ を押す手間すらいらないのが GT の持ち味です。

ただしトータルBOX は、「=」を押すたびに勝手にたまっていくのがくせもの。前の計算の答えが残ったままだと、合計が合いません。使う前に空にしておく、という一手間が要ります。

簿記の試験でどう使うか

メモリーBOX が効いてくるのは、「計算 → 計算 → …のあと、ぜんぶ合計する」形の問題です。簿記だと、たとえばこんな場面です。

「単価 × 数量」を3つ合計する例を見てみましょう。

商品計算金額
A150円 × 5個750
B380円 × 3個1,140
C1,200円 × 2個2,400
合計4,290

これを、メモリーBOX を使わずにやると、750・1,140 と紙にメモしてから最後に足すことになります。メモリーBOX を使うと、こうなります。

押すキーメモリーBOXの中身
150 × 5 M++750
380 × 3 M++750と+1,140
1200 × 2 M++750と+1,140と+2,400
MR4,290 が画面に出る

ここで気づいてほしいのが、「= を押していない」ことです。多くの電卓では、M+ が「=」の役目もかねていて、途中の掛け算を確定してから、その答えをメモリーBOXに足してくれます。だから 150 × 5 M+ は、5 ではなく 750 が足されます。

メモを取らない、= も押さない。この積み重ねが、試験のときの時間の余裕になります。1問ずつは小さな差でも、集計の多い問題では効いてきます。

※この「M+ が掛け算を確定してくれる」動きも、機種によって差があるところです。心配なときは 150 × 5 = M+ のように、いったん「=」を押してから M+ を押しても同じ結果になります。まずはお手元の電卓で 150 × 5 M+ MR と押して、750 が出るかを確かめてみてください。

よくあるつまずき

① M+ を押したのに、合計が合わない

多いのが、前の計算がメモリーBOXに残っていたというケースです。画面のすみに「M」が出ていたら、中身が残っている合図。新しい問題に入る前に MC を押して空にしておくと、この事故は防げます。

もうひとつは、上で触れた「M+ が掛け算を確定する」動きを知らずに、150 × 5 のつもりが別の数字を足していた、というケースです。一度 MR で中身を確かめてみると、どこでずれたか分かります。

② 画面の数字を消したくて AC を押したら、トータルBOX まで消えてしまった

多くの電卓では、AC(オールクリア)は画面と計算の途中に加えて、トータルBOX の中身も消します。「一度画面をきれいにしてから、GT で合計しよう」とすると、肝心の合計が消えていた——という順番の事故です。

逆に言うと、GT を使う前に AC を押しておけば、前の計算が混ざりません。「AC で空にしてから、= を重ねて、最後に GT」がきれいな流れです。

③ AC を押したのに、メモリーBOX が消えない

これは故障ではありません。AC で消えるのは、画面の数字とトータルBOX です。メモリーBOX は残ります。メモリーBOX を消せるのは MC だけ、という電卓が多いためです。「M」の表示が残っていたら、MC を押してください。

押すキー画面メモリーBOXトータルBOX
C消える残る残る
AC消える残る消える
MCそのまま消える残る
※この表も、機種によって動きが変わることがあります。とくに AC で GT が消えるかどうかは、電卓によって差が出やすいところです。お手元の電卓で、実際に押して確かめてみてください。

中身が見えると、こわくなくなります

🍋 「見えるメモリー電卓」で目で確かめる

ここまで文章で説明してきましたが、メモリー機能がこわいのは、結局のところ 中身が見えないからだと思うのです。押した結果が正しいのか分からないまま進むのは、落ち着かないですよね。

そこで、メモリーBOX の中身が見える電卓を作りました。M+ を押すとレモンがBOXに落ちて、MR でひとつにまとまり、MC で空っぽになる。MR では消えないことを、目で確かめられます。

慣れてきたら「🎓 卒業モード」でBOXを隠せます。中身が見えなくても、頭の中で想像できるようになったら——それが本物の電卓を使える状態です。

シトロン式 見えるメモリー電卓を使う(別タブ) →

まとめ

※くりかえしになりますが、キーの名前や動きは電卓の機種によって異なります。この記事の内容をそのまま覚えるより、お手元の電卓で一度ずつ押して確かめてみるのがいちばん確実です。試験に持ち込める電卓の条件も、受験する試験の公式案内でご確認ください。

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