📖 経理の解説

防衛特別所得税とは? 源泉徴収の10.21%は2027年からどうなる

公開日: 2026年8月5日

この記事は一般的な考え方を分かりやすく整理したものです。実際の税務処理は個別の事情によって異なります。最終的な判断は、必ず顧問税理士や所轄の税務署にご確認ください。

結論: 新しい税は始まりますが、10.21% は変わりません

先に答えからお伝えします。2027年(令和9年)1月から 防衛特別所得税 という新しい税が始まります。ですが、報酬・料金を個人に支払うときの源泉徴収で使う税率は、いまと同じ 10.21% のままです。

合計は 10.21% のまま。変わるのは「中身」だけ

請求書に書く金額も、差し引かれる源泉税も、受け取る手取り額も変わりません。計算のしかたを覚え直す必要はありません。

シトロン坊や
新しい税金が始まるって聞くと、「え、また覚えることが増えるの?」ってなるよね。でもね、今回は数字が変わらないんだ。じゃあ何が変わるの? ってところを、いっしょに見ていこう!

何が変わるのか — 上乗せ部分の中身が入れ替わります

源泉徴収の 10.21% は、「所得税 10%」に上乗せ部分がついた合計です。この上乗せ部分の中身が、2027年1月から入れ替わります。

上乗せ部分2026年まで2027年1月から
復興特別所得税2.1 %1.1 %
防衛特別所得税1.0 %
上乗せの合計2.1 %2.1 %

復興特別所得税が 2.1% から 1.1% に下がり、その空いた分に 防衛特別所得税 1.0% が入ります。足して 2.1% なので、上乗せの合計は変わりません。

だから、源泉徴収で使う税率も変わらない、というわけです。

なぜ 2.1% が変わらないと 10.21% も変わらないのか

ここは、上乗せの計算のしかたを知っていると腑に落ちます。

上乗せ部分は、報酬額ではなく「所得税額」に対してかかります。もとの所得税として計算した金額に、さらに 2.1% を掛ける、という決まり方です。つまり税率は「所得税率 × 102.1%」で求めます。

10% × 102.1% = 10.21%

2027年からも、上乗せの合計は 2.1%(復興 1.1% + 防衛 1.0%)のままです。掛ける数が同じなので、答えも同じ 10.21% になります。

時期上乗せ合計源泉徴収の税率
2026年まで2.1 %10.21 %
2027年1月から2.1 %10.21 %

100万円を超える部分に使う 20.42%(= 20% × 102.1%)も、同じ理由で変わりません。

この「掛け算で上乗せする」しくみについては、0.1021とは? 源泉徴収の10.21%の意味と計算方法 でくわしく書いています。

復興特別所得税は、2047年まで延長されました

もうひとつ、あわせて決まったことがあります。

復興特別所得税は、もともと 2037年(令和19年)までとされていました。それが法律の改正によって、2047年(令和29年)まで 10年間延長されることになりました。

税率が 2.1% から 1.1% に下がるかわりに、期間が 10年のびる、という形です。

防衛特別所得税は、いつまで続くのでしょうか

復興特別所得税には「いつまで」という期限があります。では、新しく始まる防衛特別所得税はどうでしょうか。

法律には、「当分の間」と書かれています。終わる時期は決められていません。

国税庁のパンフレット「防衛特別所得税の源泉徴収」(PDF)で確認できます。制度の詳細は、国税庁の案内をご確認ください。

実務では、何をすればいいのでしょうか

源泉徴収の計算については、やることは変わりません。報酬額に 10.21% を掛けて、1円未満を切り捨てる。この手順はそのままです。

エクセルのひな型に 0.1021 が入っている場合も、その数字を直す必要はありません。

項目2027年1月からどうなる
源泉徴収の税率(10.21% / 20.42%)変わらない
1円未満の切り捨て変わらない
請求書に書く金額・手取り額変わらない
上乗せ部分の内訳(復興 / 防衛)入れ替わる
なお、納付書の様式や帳簿での内訳の書き方など、手続きの面で変更があるかどうかは、今後の国税庁の案内で示されると考えられます。実際の対応は、そのときの公式の案内と、顧問税理士や所轄の税務署の指示にしたがってください。

【請求する人へ】フリーランス目線のポイント

🖊 手取り額は変わりません

「新しい税金が始まる」と聞くと、手取りが減るのではと不安になるかもしれません。ですが、報酬・料金の源泉徴収については 差し引かれる金額は同じです。請求書の書き方も、これまでどおりで問題ありません。

源泉徴収された分が前払いした所得税であり、確定申告で精算されるという点も変わりません。

シトロン式 源泉徴収の逆算ツールを使う(別タブ) →

【支払う人へ】会社の経理目線のポイント

🧾 ひな型の 0.1021 は、そのままで大丈夫です

「制度が変わる」と聞くと、まずエクセルのひな型を直さなければ、と思うかもしれません。今回については、掛ける数字は変わらないので、計算式の修正は必要ありません。

むしろ気をつけたいのは、数字が変わらないぶん、変更に気づきにくいことです。税率が変わる改正なら「変わった」と分かりますが、今回は合計が同じまま中身だけが入れ替わります。社内で説明を求められたときのために、しくみを知っておくと安心です。

100万円超の20.42%も計算する(別タブ) →

まとめ

くりかえしになりますが、この記事は一般的な考え方の整理です。実際の処理や個別の判断は、必ず顧問税理士や所轄の税務署にご確認ください。

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